
春の朝、春日大社の開門は6時30分(11月〜2月は朝7時)。
誰もいない社殿は朝霧の中に包まれ、朱色が冴えわたり、神々しい空気に満ちています。
全国に約3000社あるといわれる春日神社の総本社。
平城京ができた頃、都の守り神として768年に創建されて以来、皇室から庶民まで、幅広い信仰を集めてきました。

🌿 静寂の森と鹿たち
訪れる前には、東大寺の大仏様、そして「奈良太郎」と呼ばれる鐘楼、さらに二月堂をお参りしました。
道を一本隔てると、御蓋山の麓に広がる豊かな緑。
この森には悠久の美しさが宿り、静かに時が流れています。
木々に目を向けると、平安の人々の衣の裾の音さえ聞こえてきそうな気配。
ふと我に返ると、目の前には神の使いとされる鹿の親子が佇んでいます。

🏮 石灯籠に刻まれた祈り
参道には、日本最大規模の石灯籠が並びます。
平安時代から現代まで、絶えることなく奉納されてきました。
最古とされるのは、藤原道長が寄進した「柚木型」の石灯籠。
鎌倉・室町時代には参道に並び始め、
戦国時代には島津氏や藤堂高虎などの武将たち、
江戸時代には商人や庶民へと広がりました。
また、1604年には徳川家康が息子の病気平癒を願い、豪華な灯籠を奉納しています。
かつては毎晩すべてに灯りがともされていましたが、現在は年に2回、2月と8月のみ。
そしてこんな言い伝えもあります。
「春日大明神」と刻まれた灯籠を一晩で3基見つけると、長者になれるとか。
ぜひ、探してみてください。

😊 若宮様と人々の祈り
1136年から約900年続く、心温まるお祭りがあります。
それが、若宮様を中心とした祈りの文化です。
大雨や飢饉に苦しむ人々を救うため、
藤原道長が若宮様を丁重にお祀りし、
人々を励まそうとしたことが始まりとされています。
戦国の乱世、明治の変革、世界大戦、そして近年の困難な時代。
それでもこのお祭りは、一度も途絶えることなく続いてきました。
そこには、
「どんな時代でも祈りを絶やさない」
奈良の人々の深い想いがあります。


⛩ 若宮十五社巡り 〜人生に寄り添う神々〜
若宮を第一番とする「十五社巡り」は、人生に寄り添う祈りの道です。
- 子どもの幸せ
- 誕生の願い
- 知恵
- 長寿
人生の節目ごとに、神様がそっと寄り添ってくださいます。
主な神社:
- 第1番:若宮(知恵)
- 第5番:広瀬神社(衣食住)
- 第10番:宗像神社(芸事・弁天様)
- 第14番:金龍神社(開運・財運)
- 第15番:夫婦大国社(良縁・夫婦円満)
縁結びや夫婦円満の聖地としても知られ、
人の一生を優しく見守る巡礼です。
🌸 さいごに
若宮様に、そっと問いかけてみてください。
「いま、あなたの願いは何ですか?」




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