新緑の東大寺・二月堂をめぐる

奈良。時々京都。

naranokonekoです。 一人で楽しむ古都散歩、女子旅にもおすすめ。奈良と京都を中心に、歴史や逸話に触れながら、美味しいものを求めてゆっくり歩く。静かな時間と小さな発見に出会える、大人のためのやさしい旅ブログです。

東大寺大仏殿

大きな大きな大仏様。ここは奈良・東大寺


ここは、天平の息吹、鎌倉の英知、そして江戸の美意識が重なり合い、
1300年の時をつなぐ「時空のワンダーランド」です。

「大仏様」として親しまれているこのお方の正式なお名前は、
盧舎那仏(るしゃなぶつ)
サンスクリット語で「あまねく照らす」という意味を持つそうです。

今年の桜は少し早めでしたが、
東大寺では4月5日から17日まで「仏生会(ぶっしょうえ)」が行われました。

期間中、大仏殿内は1万本以上のお花で埋め尽くされ、
小原流によるいけばなの奉納も行われ献花と境内の桜が織りなす景色は、
一年の中でもひときわ美しい時間です。

桜の時期をすぎ、新緑の爽やかな日です。

圧倒される気概、南大門の金剛力士像

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正門である南大門を見上げると、
そこには今にも嵐を巻き起こしそうな二体の金剛力士像がそびえ立っています。

奈良時代に創建された南大門は、平安時代に暴風雨で倒壊。
その後、鎌倉時代に重源上人によって再建されました。

当時最先端の建築様式「大仏様(だいぶつよう)」を用い、
豪壮雄大な姿が蘇ります。

この巨大な仁王像を手がけたのは、
仏師・運慶、快慶を中心とする一門。

高さ8メートルを超える像が、
わずか約70日で完成したというのは驚きです。

見上げるたびに、
その迫力に圧倒され、思わず足を止めてしまいます。

聖域へと続く道

南大門の左手には「東大寺ミュージアム」。
入口には大仏様の大きな手が迎えてくれます。

そこから中門、大仏殿へと続く一直線の道は、
まるで聖域へと導かれるようなプロムナード。

大仏殿前には、国宝・金銅八角燈籠
盧舎那仏の開眼供養に際して造られたとされ、
約1300年もの間、東大寺の歴史を見つめ続けています。

かつてこの地に立った聖武天皇も、
同じように大仏様を見つめていたのでしょう。

大仏殿の静かな時間

多くの参拝者で賑わう大仏殿。
それでも大仏様と目が合うと、
不思議とそこには自分一人だけが立っているような感覚になります。

じっと見つめていると、
大きな何かに包み込まれるような安心感に満たされ、
願いごとさえ忘れてしまうほど。

どの角度から拝見しても、
その慈愛に満ちたまなざしは、
そっと寄り添ってくれるようです。

堂内の柱にある「くぐり穴」は、
無病息災や知恵授けの言い伝えがありますが、
現在は感染対策のため封鎖されています。

鐘楼へと続く石段と小さな言い伝え

大仏殿の東側、ゆるやかな石段。
ここでは「転ぶと来世は猫になる」という言い伝えがあります。

猫好きには少し嬉しいような、
でもやはり気をつけて歩きたい不思議なお話です。

独特な段差のリズムと、
春から初夏にかけての新緑の美しさ。

その先には、国宝の鐘楼が静かに佇んでいます。

大鐘「奈良太郎」は重さ約26トン。
その音色は、正岡子規の句にも詠まれています。

柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺

法華堂(三月堂)― 天平の気配に包まれて

東大寺最古の建物である法華堂。
足を踏み入れた瞬間、空気が変わります。

本尊・不空羂索観音立像をはじめ、
並び立つ十体の仏像はいずれも国宝。

薄暗い堂内に差し込む光の中、
その静かな気配に、
遠い時代の想いが伝わってくるようです。

二月堂 ― 奈良の夕景と祈りの風景

二月堂は、西を向いて建つ珍しいお堂。
そこから見下ろす奈良の街並みは、
夕暮れ時になると、ひときわ美しく染まります。

ここで行われるのが「修二会(しゅにえ)」、通称お水取り。
燃え上がるお松明の炎は、奈良に春の訪れを告げます。

この行法は、752年から一度も途絶えることなく続く「不退の行法」。

また、この行事に使われるお水は、
遠く若狭から送られてくるというロマンある伝承も残されています。

夕日が沈み、街に灯りがともる時間。
ここは、静かに歴史へ思いを馳せる場所です。

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